競馬で歴史的なレースは? 動画と共に蘇る名勝負BEST10!

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これまでの日本競馬史を紐解くと、
多くの名馬による名勝負が
存在してきましたが、
数年に1回は競馬を初めて見る人でも
思わず見入ってしまうような
『歴史的名勝負』といったものが
存在します。

そのレースはGⅠレースとは限らず、
ライバルの存在次第でGⅡ以下や
オープンクラスのレースでも
名勝負が生まれるのが
競馬の面白いところだと思います。

今回は我々競馬ファンに
多くの『感動』を与えてくれる名勝負
の数々に注目して見たいと思います。

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歴史的な名勝負BEST10

競馬のレースにおいて
我々の心を揺さぶる『感動的』な名レース
は数多く存在しますが、
その中でも馬券の当たり外れを超越したレース
として紹介したいのが以下の10レースです。

ライバルとのマッチレースや失意からの復活、
さらには圧倒的な能力の証明となったレース
といったものを含めて紹介したいレース
は他にもたくさんありますが、

ここでは我々競馬ファンにとって
後世に長く語り継いでいくべき名レースを
映像と共に順に追って見ていきましょう。

1.有馬記念(1990年)オグリキャップ

天皇賞・秋でのスーパークリークとの名勝負や、
マイルCS→ジャパンカップの連闘にも拘わらず
世界レコードでの大激走と、
圧倒的強さに加えてタフさ・精神的強さを
証明してきたオグリキャップですが、

5歳を迎えた1990年は
度重なる故障に悩まされたこともあって、
天皇賞・秋6着→ジャパンカップ11着と、

それまでの強さが嘘のような凡走を繰り返し、
能力面の衰えが指摘されたと同時に
引退を願う声がファンから多く上がりました。

しかし、そんな追い詰められた状況ながら
オグリキャップはラストランとなる有馬記念で
奇跡を起こして見せたのです。

武豊騎手とコンビを組んだオグリキャップは、
積極的な先行策で直線を向くと早々と先頭に立ち、
そこから必死に脚を伸ばして粘り込みを計ると、
後方から迫るメジロライアンの追い上げを抑え
奇跡の復活勝利を飾ることとなりました。

負け続けても自分を見捨てることなく
応援してくれたファンに対する最高の恩返し
を見せてくれたオグリキャップこそ、
本当の『アイドルホース』と言えそうですね。

2.阪神大賞典(1996年)ナリタブライアン

3歳時は他馬を全く問題としない
圧倒的な能力差で牡馬三冠を達成し、
有馬記念では古馬の一線級も蹴散らして
現役最強を証明したナリタブライアンでしたが、
同馬もオグリキャップと同じく
4歳春は怪我に悩まされて順調さを欠き

天皇賞・秋で復帰し1番人気に支持されたものの
そこで12着と惨敗すると、
その後のジャパンカップ→有馬記念でも6、4着と
勝利を挙げることができず、
年度代表馬の座も1歳下の菊花賞馬
マヤノトップガンに譲ることになって
しまいました。

同馬にとって汚名返上のレースとなったと同時に、
同じブライアンズタイム産駒としても
絶対に負けられないレースとなった
1996年の阪神大賞典で、
今でも語り継がれる歴史的なマッチレースを
披露することとなりました。

2週目3コーナー手前で早くも先頭に立った
マヤノトップガンに対して、
外から並びかけたナリタブライアンでしたが、
そこからの800mはまさに2頭だけの世界で、
最後まで馬体を並べての叩き合いが続きましたが、
最後はナリタブライアンが意地を見せて
グイっとクビ差出たところがゴールでした。

『ナリタブライアンの故障』が作り上げた名勝負

とも言えるこの阪神大賞典ですが、
それでも同馬が歴史に残る理由が
これ以上なく詰まった素晴らしいレース
と言っていいのではないでしょうか。

3.有馬記念(2006年)ディープインパクト

『まるで空を飛んでいるような走り』

でクラシック三冠を無敗で制し、
翌年も天皇賞・春→宝塚記念と連勝して、
紛れもない現役最強馬として臨んだ凱旋門賞で
『3着敗退→禁止薬物による失格』
と屈辱を味わったディープインパクトにとって、
ラストランとなるこの有馬記念は
絶対に落とすことのできないレースでした。

さらに前年の有馬記念で
ハーツクライの先行策に2着と敗れたことや、
スタートで出遅れた皐月賞のイメージなどから
中山競馬場の適性を不安視する声もありましたが

結果的にこの有馬記念はディープインパクトの
『圧倒的強さ』だけを証明する舞台となりました。

前半は後方で折り合いに専念した
ディープインパクトでしたが、
2週目4コーナーで仕掛けられてからの
4コーナーでの『マクリ脚』は、
とにかく映像で見て感じてほしいと思います。

ラストは完全に流したディープインパクトは
『7冠馬』の称号と共に惜しまれつつ引退して、
後に種牡馬としても数々の活躍馬を
送り出すこととなりました。

他の名馬とは違い
1頭だけで名勝負を作り上げることができるのも、
ディープインパクトの有り余る『才能』
と言えるかもしれませんね。

4.有馬記念(1993年)トウカイテイオー

父シンボリルドルフに続き
史上初の『無敗の二冠制覇』を達成した
『優等生』な部分と、
3度の骨折から幾度となく立ち上がり、
大敗を経験しながらさらに強くなった
『雑草』的な部分

2つのイメージを持つトウカイテイオーの
数多く存在するレースの中で、
最も我々の心を揺さぶったのは
文句なしにこの1993年の有馬記念でしょう。

前年の有馬記念で11着と大敗し、
翌年も度重なる故障の影響で

丸1年振りの実戦となった有馬記念では
1番人気の座を3歳の菊花賞馬
ビワハヤヒデに譲りましたが、

同馬も4番人気と復活を信じるファンは
トウカイテイオーを信じていました

レース前半では後方馬群に待機していた
トウカイテイオーでしたが、
2週目の3コーナー手前から徐々に進出すると、
直線に入って盤石の態勢で抜け出していた
ビワハヤヒデにただ1頭だけ襲い掛かり、
坂を上がってこれを捉えると

1年振りのGⅠを勝利で飾るという
『常識を覆す』勝利で復活を果たしました。

それまで勝っても負けても必ず主役の座に
就いていたトウカイテイオーにとって、
レース前初めて経験する『脇役』の座を
自らの走りで塗り替えてしまったように、

まさに一流馬としての

『プライド』の塊のような馬

がこのトウカイテイオーだったのでは
ないでしょうか。

5.毎日王冠(1998年)サイレンススズカ

3歳時は身体的・精神的幼さから
好走と凡走を繰り返していた
サイレンススズカでしたが、

武豊騎手を鞍上に迎えて連戦連勝を飾り、
名実ともに現役最強馬として迎えた
秋初戦の毎日王冠に待ち構えていたのが
グラスワンダーとエルコンドルパサーの
『最強外国馬コンビ』でした。

どちらも常にワンサイドゲームの
圧倒的な能力でGⅠを勝利し、
全く底を見せていない無敗の状態での対決となり、

GⅡレースながら東京競馬場に
13万人を超えるファンが詰めかけたように
その注目度は同年のGⅠレースより
明らかに高いものでした。

結果的にレースはサイレンススズカの
『怪物さ』をより強調するだけのもの
となりました。

前半1000mを57.7のハイペースで逃げて、
直線の上がりも2着エルコンドルパサーと
0.1しか違わない末脚を使われては
後続にはどうしようもなく、
『充実期』を迎えたサイレンススズカの強さを
見ているすべてのファンが感じた
紛れもない『名勝負』だったと思います。

結果的にこれがサイレンススズカにとって
最後のレースとなってしまいましたが、
その後のグラスワンダーとエルコンドルパサー
の活躍によって
同馬の評価がさらに高いものになったのは
間違いないと思っています。

6.有馬記念(2013年)オルフェーヴル

クラシック三冠に加えて
凱旋門賞で2年連続2着といった実績から、
過去の三冠馬と比べても素晴らしい能力を
有していたオルフェーヴルでしたが、
その激しい気性から勝てるレースを
取りこぼしたことも多く

2012年の凱旋門賞で見せた
一旦は完全に抜け出しながら大きく内にヨレて
ゴール前ソレミアに交わされたレースは、
その最たるものではないでしょうか。

そのオルフェーヴルの
肉体面・精神面が100%の状態で完成し、

サラブレッドとしての『理想形』

となったレースがこの2013年の
有馬記念でした。

レース前半は後方馬群の中でしっかり折り合い、
2週目3コーナーから一気にマクって
直線早めに先頭に立つと、
後は軽く追っただけで後続を大きく突き放して
8馬身差の圧勝でラストランを勝利し
大団円を飾りました。

見ているファンにとっても、
ライバル陣営にとっても、
競馬界に『絶対』といった言葉が
唯一存在するとすれば、それは

この有馬記念の『オルフェーヴルの勝利』

という事実だけかもしれませんね。

7.有馬記念(1977年)テンポイント

テンポイントにとって

『終生のライバル』であると同時に、
『絶対に負けられない相手』

として臨んだトウショウボーイとの対決で
最後のチャンスになったのが、
この有馬記念でした。

この年は天皇賞・春でGⅠ初制覇を飾りながら、
1番人気で迎えた宝塚記念では
休み明けのトウショウボーイを最後まで
捕まえることができずに2着に惜敗し、

競馬ファンの中で

『トウショウボーイ>テンポイント』

といった図式が決定的なものに
なりました。

さらにトウショウボーイが
この年の有馬記念を最後に引退することが
決まっていたことから、
テンポイントにとって『ラストチャンス』
として臨んだこの舞台が
結果として歴史的名勝負を生んだのは
間違いないでしょう。

レースでは他馬など眼中にないように
スタートから2頭で競り合う展開がゴールまで続き、
結果として道中インを回ったテンポイントが
最後に半馬身だけ先着する形で、
最後の最後にトウショウボーイ超えを
果たすことになりました。

一つのミスで乗り替わりになってしまう
今の時代の競馬では決して再現できない、
最初から最後まで2頭で作り上げた
至極の名勝負として、
長く語り継いでいかれる名勝負の一つです。

8.有馬記念(1984年)シンボリルドルフ

日本競馬史上初の無敗の三冠馬となった
シンボリルドルフですが、
前走のジャパンカップで3着に敗れて
初めての挫折を経験した結果、
そこから一回り成長した姿を見せ付けて
圧勝したのがこの3歳時の有馬記念でした。

三冠を達成した菊花賞から中1週という
厳しいローテで迎えたジャパンカップでは
体調が万全でなかったこともあって、
ノーマークだったカツラギエースの
逃げ切りを許す形となりましたが、

1番人気で迎えた有馬記念では
その反省を活かすように
カツラギエースの2番手に付ける
積極的なレースを見せました。

そして直線計ったようにこれを捉えると
最後は流す余裕を見せて2馬身差で完勝し、
3歳4冠の偉業を達成すると共に
完璧な形でのリベンジを果たしました

本当の最強馬は

『同じ馬に二度は負けない』

といったシンボリルドルフの心の声が
聞こえてくるかのような圧勝で、
同馬の非常に高いプライドと共に
最強馬としてどうあるべきかを結果で見せた
誇り高き名馬だったのは間違いないでしょう。

9.天皇賞・秋(1997年)エアグルーヴ

1200mや1600mといった『短距離戦』では
牡馬相手にGⅠを勝利する牝馬もいましたが、
まだ牡馬と牝馬の能力差が大きかった
『クラシックディスタンス』の距離において、
初めて牡馬と互角以上に渡り合った牝馬
今回紹介するエアグルーヴです。

秋華賞のレース中に骨折した後長期休養に入り、
復帰戦となったマーメイドSを完勝して、
札幌記念でGⅠ勝ちのあるジェニュイン以下の
牡馬相手にも勝利したエアグルーヴは、

秋の目標をエリザベス女王杯ではなく
『古馬王道路線』に置いた結果、
天皇賞・秋に参戦してきました。

そこで待ち構えていた圧倒的1番人気の
前年覇者バブルガムフェローに対して、
直線馬体を並べての『力勝負』の持ち込み、
それを堂々と制して勝利した
エアグルーヴの強さはまさしく
『現役最強馬』としてふさわしいもので、

その後ジャパンカップ2着→有馬記念3着と
堂々主役の1頭として
古馬王道路線を戦い抜いた実績は
称賛に値するのではないでしょうか。

近年こそウオッカやジェンティルドンナ、
ブエナビスタなどの牡馬相手にGⅠを勝つ馬も
珍しくなくなりましたが、

その道筋を切り開いたのは間違いなく
エアグルーヴの存在であり、
紛れもない『名牝』の1頭として
名勝負を演じた存在だと思います。

10.天皇賞・秋(2008年)ウオッカ

牝馬として64年振りの日本ダービー制覇で、
既に『歴史的名馬』としての存在は
確立していたウオッカですが、
最強のライバルダイワスカーレットの存在
もあって生まれた近年屈指の歴史的名勝負
この2008年の天皇賞・秋でした。

ダイワスカーレットが故障による
大阪杯以来の休み明けだったのに対して、
安田記念勝利後前哨戦の毎日王冠(2着)
を叩いて万全の状態で迎えた天皇賞・秋は、
ウオッカにとって絶対に譲れないレースでした。

レースではハイペースで逃げた
ダイワスカーレットに対して、
中団待機から直線外を通って脚を伸ばす
『王道』のレースを見せたウオッカでしたが、

残り200mからダイワスカーレットが
驚異的な二の脚を見せたことで
この歴史的名勝負が誕生したのは
間違いないでしょう。

内外並んで同時にゴールに入った2頭の
写真判定は15分という長時間に及び、
結果として僅か2センチ差で勝利した
ウオッカが天皇賞馬の栄冠に輝くと同時に、
このレースが高く評価されて
同年の年度代表馬の座も獲得することに
なりました。

ダイワスカーレットがその後有馬記念を
完勝したことからも、
この歴史的名牝2頭が同世代に
生まれたこと自体がまさに『奇跡』
と言っていいかもしれませんね。

まとめ

今回紹介した10レース中6レースが
有馬記念であったことから、
GⅠの中でも特に注目度の高い有馬記念が

『名勝負製造レース』

であるのは間違いなさそうですね。

自らの能力だけで名勝負を作り上げた
ディープインパクトやオルフェーヴル
のレースもインパクトは強いですが、

やはりライバルの存在があっての名勝負は
それだけファンの興奮や盛り上がり
も含めて非常に印象に残りやすく
ローテーションの使い分けが嘆かれる
今の競馬界ですが、
またこういった名勝負が見れるよう
期待したいと思います。

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