競馬の学校の倍率は高い! 騎手になるにはどれくらい大変なの?

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16年振りの女性騎手の誕生となった
2016年の藤田菜七子騎手のデビュー
などもあって
近年注目度が高くなっている
JRAの競馬学校ですが、

メディアには映らないその背景では
厳しい体重管理や競争倍率の激化など、
生き残りを賭けた激しい競争
が行われているのもまた事実です。

競馬学校を卒業し結果を残せば、
それに見合った多大な収入
といった形で結果が出る世界ですが、
それ故にJRAの騎手になるには
厳しい競争倍率を潜り抜ける必要があり、
その狭き門をクリアした中でも
さらに一握りの騎手だけが
華やかな舞台に立てるという訳ですね。

今回は競馬ファンでも
意外と知らない部分が多い
『競馬学校』の内側に注目して、
騎手のデビューまでに注目して
見ていきたいと思います。

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競馬の学校はどれほど厳しい?

出典:http://www.netkeiba.com/?rf=logo

グリーンチャンネルなどで競馬学校の1日
を追った特集などを見たことがある人も
いると思いますが、
騎手を目指す競馬学校の生徒の1日は
一般社会の我々からしたら
非常に厳しいものがあるのは事実でしょう。

一般社会ではまだ中学校を
卒業したばかりの青年が騎手になるために
必要な心構えとはどういったものなのか?

ここでは以下に挙げる3つの点に注目して
順に解説していきたいと思います。

必要なのはプロ意識

騎手というのは言うまでもなく
お客さんから『見られる』職業です。

レースで見せる
『勝ちたい!』といった強い意志が
感じられる気迫のこもった騎乗というのは、

我々ファンの心を打つと同時に
関係者の目にも必ず留まって
評価されるものだと思っています。

デビュー時点での技術の差
というのは多少はあるでしょうが、
その部分はデビューしてからでも
成長するものであり、
努力次第で上達していくのは
間違いないと思います。

しかし、

『絶対に騎手になって大レースに勝ちたい!』
『自分が騎手になってファンの心に残るような
素晴らしいレースをしたい!』

といった強い意志を伴う『心』がなければ、
厳しい現実に耐えかねて挫折してしまう
可能性が高くなってしまうでしょう。

日本のトップジョッキーである武豊騎手も、
毎年のように

『昨年の自分より上手くなりたい!』

と言っているように、
競馬学校で騎手を目指す中で
『プロ意識』を持つというのは
非常に重要なポイントだと思います。

求められる自己管理能力

出典:http://www.jra.go.jp/

騎手を目指す人間にとっても、
またデビューした後においても
決して避けて通れないのが
『厳しい体重管理』です。

騎手過程の生徒は毎朝起床してすぐの
『検量(体重チェック)』
が義務付けられており
それぞれの生年月日によって決められた
指定体重を超えないように体重管理
をすることが何よりも重要です。

一般社会の中学生~高校生と言えば
成長期ということもあって、
とにかくお腹一杯ご飯を食べたい気持ちは
誰でも理解できると思います。

しかし、競馬学校で騎手を目指す生徒は
そんな気持ちを自ら我慢して抑えると同時に
必要最低限の栄養摂取で体重制限に努め、
場合によっては水分のみで食事をしない
必要性があることも覚悟しておかなければ
ならないのも事実です。

それだけ騎手にとっては体重制限という
『自己管理能力』が必要不可欠なものであり、
それを耐えることができた生徒のみが
騎手になることを許されるわけです。

我々競馬ファンは時として騎手に
ブーイングしてしまうこともありますが、
今現在レースで華々しい活躍をしている騎手も
全員が同じ経験を競馬学校でしていることは
頭の片隅に置いておく必要があるのでは
ないでしょうか。

体力トレーニング

他のスポーツ選手と同じく、
騎手も立派な『アスリート』です。

400キロ以上ある競走馬の上に跨り、
それらをコントロールするためには
筋力や体力、そしてバランス能力
といったものが必要不可欠です。

そのような能力を身に付けるためには
体力トレーニングは絶対に必要な項目で、
競馬学校の映像などでよく見られる
木馬を使ったトレーニングもその一環と
言えるでしょう。

その各種あるトレーニングの中でも、
体力トレーニングをする上で最も重要なのは

『体性感覚』を磨いていくこと

ではないでしょうか?

要は自分の体の『重心』がどこにあるかを理解し、
その重心が自分の手足に対してどこにあるかを
感じ取れる感覚を磨くのは、
馬の背中という非常に不安定な場所で
バランスを取る上でも非常に重要なポイント
であるのは間違いないでしょう。

馬の上で全くバランスがブレることのない
武豊騎手や四位騎手の騎乗スタイルは、
この『体性感覚』が極めて優れている証拠であり、
競馬学校でもかなりの鍛錬を積んできたことが
理解できるのではないでしょうか。

競馬の学校の生活スタイルは?

出典:http://horseman-academy.jp/

上記では競馬学校で騎手を目指す上での
心構えの部分を説明しましたが、
彼らは実際にどういった生活を
送っているのでしょうか?

さらに、一般社会の高校や大学と比べての
学費の違いといった『お金』の部分や、
身長や体重の制限といったものは
どういった基準を基に
決められているのでしょうか?

ここでは順番に
『学費』『体重制限』『身長制限』
の3項目に分けて、
騎手過程の生徒の生活を見ていきたいと
思います。

 

学費はいくらするの?

平成27年4月時点までは
競馬学校に入学する場合において、

入学金+授業料(3年間分)……約210万円

騎乗装具・制服代……約50万円

食事代(3年間分)……約120万円

以上の合計で約380万円
必要とされていました。

一般社会の高校3年間で必要な学費が、

公立高校……約160万円
私立高校……約380万円

と考えれば、
競馬学校は私立高校と同じくらいの費用が
必要だということが理解できます。

しかし、平成28年4月よりJRAでの修学費用は

食事代120万円を除く金額が『無償化』

されており、
公立高校に通うよりも安い金額となっています。

無償化の目的として、
多くの進学希望者を募ることでより
レベルの高い騎手候補生を集め、
将来的なレベルアップに繋げたい
といった考えがあるのではないでしょうか。

これから騎手を目指す人達にとっては、
まさしく『朗報』と言えそうですね。

次は騎手の『体重制限』について見ていきます。

体重制限ってあるの?

騎手を目指す人にとって最大の課題である
『体重制限』ですが、
これにはそれぞれの生年月日によって
非常に細かい指定体重が決められています

参考までに、平成30年度の騎手過程募集要項の
体重制限を抜粋して見てみると、

平成12年9/30前生まれ……46.5キロ

平成13年4/1~9/30生まれ……45.5キロ

平成14年4/1~9/30生まれ……44.5キロ

平成14年10/1後生まれ……44.0キロ

といったように非常に細かく決められており、
実際にはさらに細かい取り決めがされています。

どんな理由があっても
この体重を超えてしまうと競馬学校に
応募することができないため、
騎手過程を目指す人にとっては
入学前から既に戦いが始まっている
と考えてもいいかもしれませんね。

続いては意外と知られていない
『身長制限』について見ていきます。

身長制限ってあるの?

上記で解説したように、
非常に細かい取り決めがある体重制限とは異なり、
JRAの騎手過程において『身長制限』
といったものは存在しません

現在も第一線で活躍している武豊騎手は
170センチと騎手の中では高身長に分類され、
その弟であり今年の3月から調教師に転身した
武幸四郎元騎手は177センチと、
一般社会から見てもかなりの高身長でした。

しかし当然ながら、
身長が高くなればなるほどそれに伴って
体重も増加するため、
基本的に騎手を目指す人にとっては
身長が低い方が有利なのは間違いないです。

現在のJRAに所属している騎手の平均身長は
約160センチとなっていることからも、
騎手を目指す人にとってはこれくらいの身長が
理想と言えるのではないでしょうか。

競馬の学校の退学もありうる?

出典:https://hot-topic-news.com/

非常に狭き門と言われる競馬学校の入学ですが、
その厳しい試験をクリアしたにもかかわらず
毎年のように中途退学者が後を絶たないのは
何故でしょうか?

その理由として一番多いのが、
やはり上記でも説明した『体重制限』
によるものが一番多いようです。

入学時点では規定体重をクリアしていても、
その後成長期や体力トレーニングで
筋肉が付くことで体重が増加してしまい、
過度の減量生活で体と心に変調が起きた結果、
退学という形を取らざるを得なくなった騎手は
毎年必ずと言っていいほどいるそうです。

さらに近年は、
外国人騎手や地方競馬騎手の移籍などによって、
新人騎手を受け入れる厩舎側が
レベルの高い『即戦力』を求めるようになり
それと同時に競馬学校での授業内容が
より厳しいものになった結果、
それについていけなくなった生徒が
退学に追い込まれてしまう
といったケースもあるようですね。

他にも病気等の体調面を理由とした退学や、
ボクシングジムへの移籍が決まっての退学
といったレアなケースもありますが、
どちらにしても競馬学校で生き残るのは
かなりの覚悟が必要であるといったことが
理解できるエピソードと言えそうですね。

競馬の学校の女子が死亡!

一部ニュースになったことで
競馬ファンの中では有名ですが、
2016年に16年振りの女性騎手となった
藤田菜七子騎手がデビューする前に
女性騎手候補生がいたことを知っている人は
どれくらいいるでしょうか?

2009年に競馬学校の騎手過程に
小沢桃子さんという女性が入学して、
西原玲奈騎手以来となる女性騎手を目指して
トレーニングを重ねていました。

しかし入学後間もなく休学し、
翌年春に競馬学校を退学という結果になり、
その後は千葉県内の牧場などで
馬の世話をしていましたが、
2013年4月13日に20歳という若さで
その短い生涯を閉じることになりました。

彼女が競馬学校を退学した理由は
『脳腫瘍』を患ったことによるもので、
競馬学校入学直後にその事実が発覚したため、
志半ばで騎手の道を諦めることになったのは、
本人にとっても非常に無念だったのでは
ないでしょうか。

彼女自身2度目の受験で競馬学校に合格したように
男性に負けないくらいの根性を持っており、
腫瘍が発覚した後も馬の世話をする仕事に就くなど
本当に心から馬が好きだったことが伝わり、

競馬学校への入学式で

『好きな馬は同じ女性であるウオッカ』

と語っていたように、
負けず嫌いでありながら女性らしい一面も持つ
本当に素敵な女性だったと思います。

この場を借りて、
謹んでご冥福をお祈りしたいと思います。

まとめ

毎年新しい新人騎手がデビューしていることから、
これまであまり意識したことがなかった
競馬学校での生活ですが、

こうやって改めて色々なことを調べていくうちに、
若干15歳で勝負の世界に飛び込んでいくことが
どれだけ大変なことで、
精神的にも肉体的にも強くなければ
決して最後まで頑張れないといったことが
少しだけ分かった気がします。

現在は外国人騎手偏重の傾向や、
ミスをしなくても乗り替わってしまうように
若手騎手が生き残っていくには
非常に厳しい時代と言えそうですが、

だからこそ狭き門を突破してデビューした騎手は
長い目で見て応援していきたいと思っています。

その中で自分のお気に入りの騎手が見つかれば、
さらに競馬が楽しいものになるのは
間違いないのではないでしょうか。

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