競馬に欠かすことができない実況。
競馬場に行ってももちろん、
家で競馬をテレビで見ているときも、
ラジオで聞いているときも
当たり前のように存在している実況。
この実況一つで競馬のすごさや感動、
衝撃など伝わるものが本当に異なってきます。
競馬を見ていると実況で
鳥肌が立つことも本当にたくさんあります。
次第に好きな実況者などがわかってきて、
その人の実況ばかりを
聞くなんてこともあります。
今回はその奥が深い実況の名言であったり、
その実況者たちを
振り返っていきたいと思います。
競馬の実況の感動したシーンをご紹介!
まずは競馬の実況で
感動したシーンというものを
紹介していきたいと思います。
競馬のレースの中には
数多くの感動レースがあり、
そのレースには
セットで感動する実況があります。
では見ていきましょう。
1.1990年有馬記念 オグリキャップ
1つ目。名実況といえばこの有馬記念。
オグリキャップの引退レースであり、
復活を期待する声が戦前より数多くありました。
しかし前走のジャパンカップでは11着。
今回の有馬記念でも
ファン投票では1位でしたが、
人気ではホワイトストーン、
メジロアルダン、メジロライアンなどに
続く4番人気。
決してその人気は高いとは言えませんでした。
その人気からやはり
ファンも勝つことは難しいと
感じていたのだと思います。
最後の直線、馬群の外から
オグリキャップが先頭に立ちました。
オグリキャップ先頭に立つか! さあ内で頑張った!オサイチ頑張った! オグリキャップ!
オグリキャップ先頭か! 200を切った!オグリキャップ先頭!(ライアン!)
オグリキャップ先頭!オグリキャップ先頭! そして、そして、(ライアン!)
ライアン来た!
ライアン来た!しかし、オグリ先頭!オグリ先頭! ライアン来た!ライアン来た!オグリ先頭!
オグリ1着!オグリ1着!右手を上げた武豊!オグリ1着!オグリ1着!
見事に引退レース、引退の花道を飾りました! スーパーホースです!オグリキャップです!
オグリコールに変わりました!
中山競馬場、ゴール板前のお客さんからはオグリコール! 右手上げてオグリコールです!」
(大川和彦アナウンサー)
2.1987年菊花賞 サクラスターオー
次に菊花賞でのサクラスターオーの実況です。
その年の皐月賞を勝ち、
ダービーの有力馬候補になりますが、
直後に繫靭帯炎を発症してしまい、
ダービーは絶望。
6か月半の休養に入ります。
菊花賞の前にステップレースを
使うことができずぶっつけ本番となりました。
人気は9番人気。
しかし菊花賞で見事に
勝利を飾ることができました。
その時に出た名実況がこれです。
「菊の季節に桜が満開!
菊の季節にサクラ!!サクラスターオーです!」
(杉本清アナウンサー)
サクラスターオーの
名前とかけた名実況になりました。
3.2005年菊花賞 ディープインパクト
3つ目にディープインパクトの菊花賞です。
シンボリルドルフ以来の無敗の三冠達成。
最後の直線では逃げる
アドマイヤジャパンを
完全にとらえてゴール板を駆け抜けました。
その時に出た実況がこれです。
「世界のホースマンよみてくれ、
これが日本近代競馬の結晶だ!」
(馬場鉄志アナウンサー)
このフレーズは大変有名です。
日本最強馬として
世界の大レースも
視界に入ったこの実況でしょう。
4.2000年ダービー アグネスフライト
4つ目にアグネスフライトのダービーです。
最後の直線で早めに抜け出した
エアシャカールを追いかける
アグネスフライトその差は
鼻差でアグネスフライトが勝利しました。
その時に出た実況がこれです。
「河内の夢か豊の意地か、どっちだー!」
(三宅正治アナウンサー)
河内洋初めてのダービー制覇がかかるレースと、
武豊ダービー三連覇がかかるレース。
その状況を一言で表した名実況です。
5.2017年中山大障害 オジュウチョウサン
最後に2017年本当に近年の名実況です。
中山大障害での実況になりますが、
このレースには障害王といえる
オジュウチョウサンと、
そのオジュウチョウサンが
出てくる前は王者であったアップトゥデイト。
4コーナーを前にして
この2頭の一騎打ちムード。
逃げるアップトゥデイトを唯一
一頭追いかけるオジュウチョウサン
その4コーナー付近で生まれた名実況です。
「前王者か!現王者か!」
(山本直アナウンサー)
この名セリフは鳥肌が本当に立つ実況です。
近年では一番いい実況になりましたね。
競馬の実況の面白いシーンをご紹介!
競馬の実況では
感動するものばかりではありません。
面白い馬名の馬が出ているレースや、
特徴のある実況者などは
聞いていても面白くなる場合があります。
次はそういった実況の
面白いシーンを紹介していきたいと思います。
1.2007年未勝利戦 モチ
最初に面白い馬名での面白い実況です。
モチという馬が初勝利した
未勝利戦での実況です。
先行から早めに抜け出した
モチが外から来る馬から粘りこんでの1着。
「モチが粘りこむ」
競馬の実況とは思えないセリフですよね。
2.2010年ダービー キズナ
次にキズナが勝った日本ダービーです。
これは実況界ではある意味有名な
青島アナウンサーが実況したレースで、
少し面白いというかがっかりというか、
といったような実況です。
特に直線200mを切ったあたりから
実況ではありえない少し無言の時間があったり、
キズナが勝った時も「キズナ勝ったー!」
などと小学生並みの実況でわらけてきます。
3.1996年バイオレットステークス ナムラホームズ
この日のレースは霧で
ほぼ見えないレースでした。
この中継も終始全く見えず、
馬の姿を確認できない実況者は
実況ともいえない内容で
ありえないことになっていました。
ここまで見えないレースは初めてでしたね。
競馬の実況のうまいアナウンサーをご紹介!
競馬のこのような実況は
もちろんアナウンサーによって癖があったり、
上手なアナウンサーや
あまり上手ではないアナウンサーなど様々です。
その中でもうまいといわれている
実況者たちを紹介していきたいと思います。
1.杉本清アナウンサー
最初に杉本清アナウンサーです。
1937年生まれの現在81歳。
1962年から競馬実況を担当しています。
杉本アナは競馬ファンに
好かれた初めての実況アナウンサーであり、
名実況の礎を作ったともいえます。
それほど杉本アナは伝説であり、
私たち競馬ファンの心の中に残る
名実況をたくさん作ってきました。
独特な声質から発せられるその実況は
聞いている私たちも
どこか安心できるような、
またどこか興奮するような実況でした。
現役を退いた今でも
昔の杉本アナの実況が1番だという声も
たくさんあります。
いくつか杉本アナの
名実況を紹介していきましょう。
- 1973年天皇賞春 タイテエム
「無冠の貴公子に春が訪れます!タイテエム1着!」
- 1984年菊花賞 シンボリルドルフ
「赤い大輪が薄曇りの京都競馬場に大きく咲いた!!三冠馬8戦8勝!我が国競馬史上、不滅の大記録が達成されました京都競馬場」
- 1989年マイルチャンピオンシップ オグリキャップ
「負けられない南井克己、譲れない武豊、この2頭の一騎打ちになりました」
2.青嶋達也アナウンサー
次に青嶋達也アナウンサーです。
1965年生まれの53歳。
様々なスポーツの実況を担当しており、
サッカーから、バスケ、
そしてもちろん競馬の実況も行っています。
競馬の実況者の中では
最も熱がこもった実況をしており、
その好き嫌いは正直分かれることがあります。
しかしその実況スタイルは
唯一無二で様々な実況を経験した
その実績は見事といったものでしょう。
では名実況いくつか紹介したいと思います。
- 1997年NHKマイルカップ シーキングザパール
「文句なし名牝の道!文句なし!シーキングザパール武豊!文句なし!」
- 1998年NHKマイルカップ エルコンドルパサー
「強いものは強い!強いものは強い!」
- 2003年オークス スティルインラブ
「ベガ依頼10年ぶり史上10頭目の2冠馬誕生!スティルインラブです!
この10年の時を経て巡り合ったのは2冠馬との出会い!」
3.大川和彦アナウンサー
3人目は大川和彦アナウンサーです。
1947年生まれの70歳。
1976年から競馬実況を行っていました。
終盤に向けて
どんどん声をあげていく実況スタイル。
この人も気合の入った競馬実況スタイルですね。
オグリキャップの引退レースでの
実況は伝説に残っており、
それ以外でも有名な実況はありますが、
やはりオグリといったら大川和彦アナウンサーですね。
ではいくつか名実況を振り返っていきましょう。
- 1989年ジャパンカップ ホーリックス
「オグリキャップ頑張れ!オグリキャップ頑張れ!オグリキャップか、ホーリックスか!」
- 1982年天皇賞秋 メジロティターン
「勝ちましたメジロティターン!見事に伊藤正徳!そしてメジロティターン親子2代の天皇賞制覇であります!」
4.小林雅巳アナウンサー
4人目は小林雅巳アナウンサーです。
1961年生まれの56歳。
1985年ラジオたんぱに入社後、
中央競馬実況を中心に担当。
誰よりも
競馬を愛しているアナウンサー
といっても過言ではないのでしょうか。
馬券を買うことを義務としていますし、
本当に競馬を愛していることはわかります。
このようなエピソードもあります。
ダービー当日の
東京1Rの馬場入場アナウンスで、
「競馬を愛する皆様おはようございます。
そしてダービーへようこそ!
今日は日本全国ダービーデーです!
素晴らしいお天気のもと、日本ダービーが行われます!」
と、このような気合の入った
元気な実況をしたこともあります。
競馬好きが伝わってきますね。
では名実況集です。
- 2013年スプリンターズステークス ロードカナロア
「世界のロードカナロアーーー!!」
- 2005年有馬記念 ハーツクライ
「ハーツクライ、ハーツクライ、
ハーーツクライだ!ゴーールイン!!ルメール手をあげた!」
5.塩原恒夫アナウンサー
1963年生まれの54歳。
昔から長年、競馬実況を担当しており、
2005年に初の日本ダービー実況。
2014年2015年の
凱旋門賞実況も担当していました。
塩原恒夫アナウンサーといえば
実況の言葉のチョイスが独特で
そのポエムっぽい実況スタイルは
ほかとは一味違う実況になっています。
本当にその言葉のチョイスは
尊敬に値するもので、
普通なら思いつかない言葉ばかりです。
競馬の実況ももちろんにですが、
本馬場入場での
1頭1頭の紹介が真骨頂といえます。
では、名実況集です。
塩原アナウンサーなので、
本馬場入場編で紹介していきます。
- 2004年安田記念 ユートピア
「雨に濡れた坂上に、失われた地平線を求めてユートピア、四位洋文」
- 2003年皐月賞 サイレントディール
「エリザベスの弟が勝利を目指す、きれいなお姉さんは好きですか?サイレントディール武豊」
- ジャパンカップ ドリームパスポート
「クラシック戦線上位で示した通行証は、古馬を相手のビザ申請へ、ドリームパスポート」