世界最高の賞金体系と言われている中央競馬。
ジャパンカップや有馬記念に優勝すると
1着賞金は、なんと3億円!!!
夢のような話ですが、オーナーである
馬主が全部貰えるわけではありません。
また、レースで賞金圏内に入れなくとも
様々な手当が用意されているので
多くの馬が出走するだけで
ある程度の金額を稼いで帰ってきます。
今回は、競走馬がレースで生み出す
お金についてご紹介していきます。
賞金の取り分や様々な手当は、
どうなっているのでしょうか?
賞金の配分は馬主が80%・調教師10%・騎手5%・厩務員5%
競走馬がレースに出て獲得した賞金は
100%馬主に入るというわけではありません。
- 馬主…80%
- 調教師…10%
- 騎手…5%
- 厩務員…5%
という割合で分配され、厩舎関係者に
進上金として支払うことになります。
馬主が競馬で獲得できるのは賞金の8割。
調教師は管理馬の賞金の10%+預託料、
厩務員は厩舎からの基本給+賞金の5%
という形になります。
厩舎によっては、厩務員の取り分の一部を
プールして、厩務員同士に差が
出過ぎないように工夫している所もあります。
全競走共通の賞金の仕組みをご紹介
獲得した賞金の行方がわかった所で、
続いては、賞金の仕組みを
ご紹介していきます。
本賞は1着馬から5着馬
1着から5着の馬に対して交付されるのが
“本賞”と呼ばれる賞金です。
クラスによって賞金額は異なりますが、
- 1着:100
- 2着:40
- 3着:25
- 4着:15
- 5着:10
という割合で設定されています。
上の動画のように大混戦だと、
ほんのちょっとの差しかないのに、
かなり金額が違ってきますよね。
出走奨励金は6着馬から8着馬
惜しくも掲示板を逃した6着~8着の馬
(重賞の場合は6着~10着)には
“出走奨励金”という賞金が交付されます。
1着の賞金を100とすると
- 6着:8
- 7着:7
- 8着:6
- 9着:3
- 10着:2
という割合で設定されています。
ただし、1着とのタイム差が規定を超えると
出走奨励金は交付されないことになっています。
また、古馬が出走可能なG1や
同じく古馬が出走可能な芝1800m以上の
G2レースでは11着以下の馬に対して
“特別出走奨励金”が交付されています。
全ての出走馬には特別出走手当
そして、上位に入るか否かに関わらず
すべての出走馬に交付されるのが
“特別出走手当”というものです。
重賞競走・特別競走 |
|
重賞競走 | 431,000円 |
特別競走 | 422,000円 |
一般競走 |
|
1勝以上の競走 | 418,000円 |
新馬・未勝利 | 407,000円 |
この金額をベースに、条件によって、
加算または減産され、金額が決まります。
- 3(4)歳以上の芝1,800m以上の
平地競走の出走馬 - 2歳の新馬・未勝利競走の出走馬
- 障害競走の出走馬
- 1着馬とのタイムが規定の秒数を
超過した馬 - 3歳秋季以降の平地競走に出走した
3歳未勝利馬 - 5歳以上の平地収得賞金が
500万円以下の馬(一部) - 地方馬・外国馬
特定の競走の賞金の仕組みをご紹介
その他にも、レースの格を維持するためや
国内の馬産を活性化させるために、
様々な奨励金などが用意されています。
最後にレースによって交付額が異なる
金額について紹介します。
距離別出走奨励賞
3歳または4歳以上の芝1,800m以上の
平地競走に出走した1着から10着の馬に対し
“距離別出走奨励賞”が交付されています。
■1着馬の距離別出走奨励賞金額
クラス | 芝1800m | 芝1801m~2000m | 芝2001m~ |
オープン(重賞以外) | 120万円 | 240万円 | 360万円 |
1600万以下 | 120万円 | 240万円 | 360万円 |
1000万以下 | 120万円 | 240万円 | 360万円 |
500万以下(特別のみ) | 60万円 | 120万円 | 180万円 |
金額の割合は、本賞と出走奨励金と同じで
1着の100に対して、2着:40、3着:25
4着:15、5着:10、6着:8、7着:7
8着:6、9着:3、10着:2となります。
内国産馬所有奨励賞
平地の全レースで1着から5着に入った
内国産馬には、“内国産馬奨励賞”が
交付されています。
■1着馬の内国産馬奨励賞金額
新馬 | |
2歳 | 150万円 |
3歳 | 110万円 |
未勝利 | |
2歳 | 120万円 |
3歳・春 | 90万円 |
3歳・夏 | 50万円 |
3歳・秋 | 30万円 |
新馬・未勝利以外 | |
G1・Jpn1 | 300万円 |
その他の重賞 | 150万円 |
重賞以外のオープン | 120万円 |
1600万以下 | 90万円 |
1000万以下 | 70万円 |
500万以下 | 50万円 |
こちらも金額の割合は、1着の100に対して、
2着:40、3着:25、4着:15、5着:10、
となっています。
また、牝馬限定戦以外の平地の
新馬戦・未勝利戦で1着から5着になった
内国産牝馬に対しては、さらに
内国産牝馬奨励賞も交付されています。
特別競走の1着馬から3着馬の付加賞
金額が決まっていませんが、特別競走の
1着から3着馬には“付加賞”というものも
交付されています。
これは、特別競走に登録する際の
特別登録料を3着までに入った馬で
7:3:1の割合で案分して交付する
というものです。
まとめ
今回は、競走馬が稼いでくる賞金について
ご紹介しました。
賞金の分配について、もっと詳しく
知りたい方は、こちらの記事も
ご覧ください。
⇒競馬の賞金の配分!億を超える金額は誰にどうやって分けられる?
- 馬主の取り分は80%
- 1~5着の馬には本賞
- 6着~8着(重賞は10着まで)には
出走奨励金 - 全馬に特別出走手当が交付
- 芝1800m以上のレースは
距離別出走奨励賞が有 - 内国産馬が1着~5着に入れば
内国産馬所有奨励賞が交付 - 特別レースの1着~3着には付加賞
というのが、競走馬がレースで
稼いでくるお金です。
どうしても馬券圏内の争いに
注目しがちですが、
1円でも多く獲得するために頑張る
8着争いにも注目してみてください。