中央競馬のレースが行われる
競馬場はいくつあるかご存知でしょうか?
答えは……全部で10カ所!
- 札幌競馬場
- 函館競馬場
- 福島競馬場
- 新潟競馬場
- 東京競馬場
- 中山競馬場
- 中京競馬場
- 京都競馬場
- 阪神競馬場
- 小倉競馬場
が、中央競馬の舞台となります。
野球場やゴルフ場が、場所によって
まったく違うように、競馬場も
場所によって全然違う特徴や個性を
持っています。
同じように見えて、実は違う
各競馬場の個性や傾向を
今回は、ご紹介していきます。
中央競馬場の特長と傾向を紹介
現在、中央競馬で使用されている
10の競馬場は
”主要4場”と”ローカル”
と区別をされる事があります。
G1や重賞が多く開催されている
東京、中山、京都、阪神が
主要4場や中央場所。
その他の、札幌、函館、福島、
新潟、中京、小倉をローカルや
裏開催と言ったりします。
そんな区別もある10場の特徴を
ご紹介していきます。
*芝コースのデータは各場ともに
ラチ沿いのAコースでのものです。
1.札幌競馬場
■札幌競馬場
回り | 右 | |
芝 | 1周距離 | 1640.9m |
直線距離 | 266.1m | |
高低差 | 0.7m | |
ダート | 1周距離 | 1487m |
直線距離 | 264.3m | |
高低差 | 0.9m |
1904年に開場し、当初はダートだけでしたが
1989年に芝コースが設けられました。
寒冷地ということで、寒さに強い
洋芝が用いられています。
洋芝はパワーが必要とされているので、
同じ芝でも、京都や新潟の軽い馬場とは
違うタイプの馬が活躍することもあります。
芝・ダートともに、ほぼ平坦で
小回りコースですが、コース自体が
円に近いので、小回りのわりに
コーナーが緩いのが特徴です。
2.函館競馬場
■函館競馬場
回り | 右 | |
芝 | 1周距離 | 1626.6m |
直線距離 | 262.1m | |
高低差 | 3.5m | |
ダート | 1周距離 | 1475.8m |
直線距離 | 260.3m | |
高低差 | 3.5m |
1896年に開場した、現存する中で
最も歴史があるのが函館競馬場。
中央競馬の競馬場の中で、
最も直線が短いコースでもあります。
直線に坂は無いものの、第2コーナーから
第4コーナーの入り口にかけて上り
そこから、ゴール前まで下っていく
高低差のあるコースです。
芝コースは札幌競馬場と同じく、
洋芝のため適性が問われます。
3.福島競馬場
■福島競馬場
回り | 右 | |
芝 | 1周距離 | 1600m |
直線距離 | 292m | |
高低差 | 1.9m | |
ダート | 1周距離 | 1444.6m |
直線距離 | 295.7m | |
高低差 | 2.1m |
中央競馬の中で、最も1周の距離が
短いのが福島競馬場。
そんなに高低差があるコースではありませんが
1周する間に、アップダウンが2回出てくる
独特のコース形態です。
3コーナーから4コーナーが
スパイラルカーブになっているため
スピードを落とさずに曲がりやすいのも特徴。
直線が短いのと相まって、逃げ・先行に
有利な競馬場と言われています。
4.新潟競馬場
■新潟競馬場
回り | 左 | |
芝 | 1周距離 | 1623m(内) 2223m(外) |
直線距離 | 358.7m(内) 658.7m(外) |
|
高低差 | 0.8m(内) 2.2m(外) |
|
ダート | 1周距離 | 1472.5m |
直線距離 | 353.9m | |
高低差 | 0.6m |
2001年の大規模リニューアルに伴い
右回りから左回りに生まれ変わった
新潟競馬場。
芝の外回りコースは、日本最大の1周距離で
直線の長さも日本一を誇ります。
ダートと芝の内回りは、ほぼ平坦。
芝外回りも勝負所からは、平坦なので
スピード決着になりやすいコースです。
日本で唯一、直線だけの1000mの
コースがあり「千直」の愛称で
親しまれています。
5.東京競馬場
■東京競馬場
回り | 左 | |
芝 | 1周距離 | 2083.1m |
直線距離 | 525.9m | |
高低差 | 2.7m | |
ダート | 1周距離 | 1899m |
直線距離 | 501.6m | |
高低差 | 2.5m |
日本ダービーやジャパンカップなど
8つのG1が行われる日本競馬の
象徴的な場所が東京競馬場。
第1コーナーから向正面途中までが
長い下り坂で、直後に上り坂。
第4コーナーから、再び上って
残り480m地点から 200mほどは
緩やかな上り坂。
と、アップダウンを繰り返す
非常にタフなコースです。
直線が長く、コーナーもゆったり
しているためアクシデントの可能性も少なく
力通りの決着になりやすいのが特徴。
フロックでは乗り切ることが出来ない
真の力が試される場所です。
直線が長いため、差し・追い込み勢が
レースをしやすいと言えます。
6.中山競馬場
■中山競馬場
回り | 右 | |
芝 | 1周距離 | 1667.1m(内) 1839.7m(外) |
直線距離 | 310m | |
高低差 | 5.3m | |
ダート | 1周距離 | 1493m |
直線距離 | 308m | |
高低差 | 4.5m |
年末の国民的行事と言える有馬記念や
皐月賞など、4つのG1と
2つの障害のG1(J・G1)が行われる
中山競馬場。
内回りコースはローカルの競馬場と
ほとんど変わらない小回りで、
主要4場の中で直線が最も短いコースです。
しかし、国内の競馬場で最も高低差があり
残り180mから70mの所に
高さ2.2mを上る急坂が待ち構えています。
この坂のために、ゴール前で逆転が
起きることもあり、中山競馬場の
見どころとなっています。
ただし、直線は短いため、後ろから
進め過ぎると届かないコースです。
7.中京競馬場
■中京競馬場
回り | 左 | |
芝 | 1周距離 | 1705.9m |
直線距離 | 412.5m | |
高低差 | 3.5m | |
ダート | 1周距離 | 1530m |
直線距離 | 410.7m | |
高低差 | 3.4m |
高松宮記念とチャンピオンズカップという
2つのG1が行われる中京競馬場。
競馬場の規模感、そしてG1が実施されている
面から見ても「ローカル」に分類するのが
憚られる立派な競馬場です。
2コーナーから向こう正面半ばまでは上り、
そこから直線の入り口まで下っていき
直線に入ると中山競馬場に次ぐレベルの
急坂が待ち構えているタフなコース。
最終コーナーは、インが急カーブになるため
外差しが効きやすい特徴があります。
8.京都競馬場
■京都競馬場
回り | 右 | |
芝 | 1周距離 | 1782.8m(内) 1894.3m(外) |
直線距離 | 328.4m(内) 403.7m(外) |
|
高低差 | 3.1m(内) 4.3m(外) |
|
ダート | 1周距離 | 1607.6m |
直線距離 | 329.1m | |
高低差 | 3.0m |
天皇賞・春、菊花賞といった長距離G1をはじめ
5つのG1が実施される京都競馬場。
特徴となるのは“3コーナーの坂”。
向こう正面から上った分を
3コーナーで一気に下っていきます。
勝負所で急激に下るため、下りながら
加速できることが、京都競馬場を
攻略する上で、必須となってきます。
直線の距離は、それなりに長いものの
平坦のため
淀の坂
をうまく進めた馬が、
勝利に近づくと言えます。
9.阪神競馬場
■阪神競馬場
回り | 右 | |
芝 | 1周距離 | 1689m(内) 2089m(外) |
直線距離 | 356.5m(内) 473.6m(外) |
|
高低差 | 1.9m(内) 2.4m(外) |
|
ダート | 1周距離 | 1517.6m |
直線距離 | 352.7m | |
高低差 | 1.6m |
桜花賞や宝塚記念など、5つのG1が
行われる阪神競馬場。
元々は中山競馬場に似た、小回りで
内枠の先行馬が有利なコースでしたが
改修によってコースも広くなり
枠の有利不利が是正されました。
その改修の際に、芝外回りコースが出来、
後ろから進める馬も、力を発揮しやすい
舞台となっています。
直線の急坂の勾配は中山競馬場と
同じレベルなので、最後の最後で
底力が問われる形態です。
10.小倉競馬場
■小倉競馬場
回り | 右 | |
芝 | 1周距離 | 1615.1m |
直線距離 | 293m | |
高低差 | 3m | |
ダート | 1周距離 | 1445.4m |
直線距離 | 291.3m | |
高低差 | 2.9m |
典型的な“小回り平坦コース”と言えるのが
小倉競馬場。
1周の距離は、福島競馬場に次いで
2番目に小さく、直線も300mに満たない
コースで、先行勢有利な
スピード競馬がよく見られます。
芝の直線は、フラットですが、
コース自体は全く勾配が無い
というわけではありません。
ゴール付近から第2コーナーまでに
3mを上り、4コーナーまでの間に
2回に渡って、下っていきます。
起伏はあるものの、減速を少なく
曲がれるスパイラルカーブのため
早め早めの競馬が特徴的なコースです。
競馬場のコースはなぜ右回りと左回りがあるの?
ご紹介してきた10の競馬場は
- 新潟、東京、中京…左回り
- 札幌、函館、福島、
京都、阪神、小倉…右回り
と周回する方向が違っています。
「なぜ、左回りと右回りがあるのか?」
と疑問に思われるかもしれませんが、
馬のバランスを整えるために、
左右両方の回りがある
競馬場を作った場所の地理上の理由から
右回りの多いヨーロッパと
左回りの多いアメリカの両方の影響
など諸説あり、明確な答えは
ありませんでした。
馬によって、動きやカラダの癖で
どちらかの回りが得意なタイプも居ます。
左回りと右回りが共存することで、
様々な馬のチャンスが増えていると考えると
回りにこだわらなかったのは
賢明な判断だったと言えるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、中央競馬で使用されている
10の競馬場についてご紹介しました。
- 主要4場とローカルがある
- 右回りと左回りがある
最初は、この2つの違いを覚えてから
それぞれの特徴を掴んでいくと
競馬場ごとの傾向が、わかりやすく
見えてくると思います。
レースが行われる場所の特徴を知ると
馬券にプラスになるはずですので
少しずつ競馬場の個性を
覚えてみてください。