競走馬として大活躍した牡馬や
優秀な血統の下に生まれた牡馬は
競走馬を引退した後に種牡馬となります。
現役時代の活躍や血統背景に応じて
種付け料金が設定され、産駒の評判が良いと
アップし、イマイチだとダウン。
種牡馬になると現役時代以上の厳しい
生存競争が繰り広げられています。
今回は、そんな種付けについて
取り上げていきたいと思います。
競走馬の繁殖シーズンはいつなの?
どれくらいの回数、種付けするの?
といった気になる情報を中心に
見て行きましょう!
ディープインパクトの種付け料は4000万円!
現在、種付け料が世界で最も高いと
言われている馬は、日本にいます。
それは、ディープインパクト!
日本競馬史上2頭目の無敗の3冠馬となり、
JRA最多タイのG1・7勝を記録した英雄は
父となっても、数々の活躍馬を送り出しました。
その結果、種牡馬としての価値が年々上昇し、
それに伴い種付け料もアップ。
現在では、世界で最も高額な4000万円
設定されていると言われています。
ディープインパクトの活躍については、
こちらの記事がオススメです。
⇒ディープインパクトとは?レース動画&血統・種付け料を解説!
現役時代に成績が良い馬が優秀な種牡馬とは限らない!
ディープインパクトのように、現役時代と
同じように種牡馬として活躍する馬ばかり
でないのが、競馬の面白さかもしれません。
同じように無敗で3冠を制した
シンボルルドルフはトウカイテイオーという
G1・4勝馬を出したもののG1優勝の産駒は
その1頭だけ。
ディープと同じくJRAのG1・7勝を挙げた
テイエムオペラオー産駒からは、
G1馬どころか、平地重賞勝ち馬も出ていません。
一方で、現役時代にG1勝ちがなかった
ディープインパクトの兄ブラックタイドは
G1・7勝で数々の記録を更新した
キタサンブラックを出し、
同じくG1・1勝だったステイゴールドからは
オルフェーヴルやゴールドシップ、
スクリーンヒーローからはモーリスという
怪物級の馬が誕生しています。
現役時代の成績が直結しない所が
生産の難しさであり奥の深さでしょう。
人気種牡馬の種付けは1日2~3頭!
人気の種牡馬となると1シーズンに
200頭以上の牝馬に種付けしています。
馬は秋から冬にかけては発情しないので
初春から初夏にかけてが、種付け時期。
ですので、人気の種牡馬は1日に
2回~3回の種付けを行うことになります。
そのため、かなりの体力と足腰の強さが
求められるので、競走馬を引退してからも
種付けに必要な筋力を養うための
トレーニングを行っています。
種付けの時期や種付け方法についてご紹介!
続いて、意外と知られていない
種付けの時期や種付けの方法について
見てみましょう。
種付けは2月~7月の時期に行われる
先ほど少しご紹介しましたが、馬は
初春から初夏にかけてが、発情期となります。
だいたい2月~7月の間で種牡馬の
スケジュールに合わせて、繁殖牝馬が
相手先を訪れます。
その際に、繁殖牝馬が発情しているのか
確認するために用いられるのが
アテ馬
牝馬が発情していないのに種付けしようとすると
ウン億円の価値がある種牡馬が蹴られてしまう
可能性があるので、別の牡馬で
チェックをします。
ちなみに、牝馬の発情は引退したから
起こるものではなく、現役中に
発情することもあります。
その事を
フケ
と競馬関係者は言い、春競馬で不可解な
負け方を牝馬がした場合には、
フケの可能性があります。
競走馬は人工授精をしないってホント?
サラブレッドの血統登録の1つ条件として
自然交配で誕生した馬
というのがあります。
そのため、競走馬の馬産において、
人工授精は実施されていません。
人工授精が行われない理由の1つとしては、
種牡馬の体力や肉体面の負担がないため
ある種牡馬に人気が集まりすぎて
血統が偏る可能性があるからと言われています。
自然交配だからこその偶然から
名馬が生まれることがあるのも
馬産の魅力。
90年代後半に一世を風靡した快速馬
サイレンススズカは、もともと違う種牡馬を
交配する予定だったと言われています。
しかし、母が発情した日に、
予定していた種牡馬が埋まっていたため
代わりにサンデーサイレンスを付けたことで
記憶に残る名馬が誕生しました。
受胎しなかった場合はどうなるの?
牝馬が発情し、無事に種付けができたとしても
受胎しないケースもあります。
その時には
- もう1度、同じ種牡馬と交配する
- 別の種牡馬と交配する
という2つの選択肢になってきます。
種牡馬によって、不受胎の時の
金銭的な条件が異なりますので、
その条件と牝馬の体調とを考えて
選択していくことになります。
まとめ
今回は種牡馬についての情報を
ご紹介しました。
現役時代と違って、種牡馬の仕事ぶりについては
断片的にしか取り上げられる機会がないため
新鮮に思われた方も多いのではないでしょうか。
20年ほど前までは、人気種牡馬でも
100頭強の種付け回数でしたが、
畜産技術の向上もあって、現在は
200頭以上に種付けする馬も少なくありません。
そのため、ひっそりと種牡馬入りした馬には
チャンスが少なくなっています。
しかし、1頭の産駒が活躍しただけで
評価が激変する可能性もあるのが種牡馬。
馬柱を見る際には、自らの血を遺すために
奮闘する父の姿も、想像してみると
競馬観が広がるかもしれませんね。