3歳馬の3冠という言葉は定着していますが
古馬の王道路線にも3冠レースがあるのを
ご存知でしょうか?
- 春古馬3冠…
大阪杯、天皇賞・春、宝塚記念 - 秋古馬3冠…
天皇賞・春、ジャパンカップ、有馬記念
2017年から始まった春古馬3冠は、
まだ達成した馬はいませんが、
秋古馬3冠は、テイエムオペラオーと
今回ご紹介するゼンノロブロイの
2頭だけが達成しています。
秋古馬3冠を達成し、種牡馬となった
ゼンノロブロイはどんな馬なのでしょうか?
彼の血統や産駒と共に、現役時代のレースも
合わせてご紹介していきます。
ゼンノロブロイの産駒!子供を5頭紹介
■センノロブロイ血統表
サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |
ローミンレイチェル | マイニング |
One Smart Lady |
ゼンノロブロイの代表的な産駒を
5頭ピックアップしました。
どんな個性を持った子供たちなのでしょうか?
(成績は2018年8月1日現在のものです)
1.サンテミリオン
2010年オークス
■サンテミリオン(牝)2007年産
母:モテック
母父:ラストタイクーン
ゼンノロブロイ産駒として、現時点で
唯一のG1勝ち馬がサンテミリオン。
フローラステークスを勝ち、5番人気で臨んだ
オークスではアパパネと約300mに及ぶ叩き合い。
JRAのG1史上初となる1着同着で
樫の女王に輝きました。
その後は掲示板に載るのが1度だけでしたが、
無事に引退し、繁殖牝馬となっています。
2.ペルーサ
2010年青葉賞
■ペルーサ(牡)2007年産
母:アルゼンチンスター
母父:Candy Stripes
サンテミリオンと同じく初年度産駒で
牡馬の代表格と言えるのがペルーサ。
デビューから4連勝でダービートライアルの
青葉賞を制し世代の中心と目されました。
しかし、出遅れ癖が酷く、その後のレースで
何度となくスタートで後手を踏み、
脅威の末脚を発揮するものの
ビッグタイトルには遂に届きませんでした。
しかし、8歳の8月の札幌日経オープンで
5年3カ月8日というJRA史上最長間隔での
勝利を飾り、その名前を残しています。
2017年に種牡馬入りし、2018年には
初産駒が誕生。ゼンノロブロイの血を繋げる
役割を担っています。
3.トレイルブレイザー
2012年京都記念
■トレイルブレイザー(牡)2007年産
母:リリオ
母父:フォーティナイナー
こちらは遅咲きの初年度産駒。
ゼンノロブロイ産駒として、唯一G2を
複数勝利しているトレイルブレイザー。
4歳の秋にアルゼンチン共和国杯、
5歳の春に京都記念を制しています。
香港、アメリカ、ドバイと各地に遠征し
アメリカのブリーダーズカップターフでは
4着に入る健闘を見せました。
4.リアファル
2015年神戸新聞杯
■リアファル(牡)2012年産
母:クリソプレーズ
母父:エルコンドルパサー
半姉にG1馬マリアライトや
クリソライトがいる良血のリアファル。
ダートから芝に矛先を変えると連勝で
菊花賞トライアル・神戸新聞杯(G2)に
勝利し、最大の上り馬として本番に臨みます。
菊花賞ではキタサンブラックに屈し
3着に敗れますが、強力な先行力を
見せつけました。
その後に出走した有馬記念で脚部不安を発症し
休養が長引いていますが、ペルーサと同じく
ビッグタイトルの可能性を感じさせた
1頭でした。
2018年8月1日現在、現役です。
5.バウンスシャッセ
2014年フラワーカップ
■バウンスシャッセ(牝)2011年産
母:リッチダンサー
母父:Halling
ゼンノロブロイ産駒として唯一の
重賞3勝馬が、バウンスシャッセ。
2014年から2016年まで、牝馬限定G3を
毎年1勝ずつ挙げました。
距離とコース適性を考慮され、桜花賞ではなく
皐月賞に挑んだ後、オークスで
3着に入るという変わったローテーションで
春のクラシックを戦った1頭です。
ゼンノロブロイ種牡馬としての成績/戦績は?
ここまでは、ゼンノロブロイの代表的な
産駒をご紹介してきましたが、
続いて、種牡馬としての成績を
ご覧いただきましょう。
年度 | 順位 | 重賞 | 芝 | ダート | 平均距離 (芝) |
平均距離 (ダ) |
|||
出走 | 勝利 | 出走 | 勝利 | 出走 | 勝利 | ||||
2017 | 17 | 19 | 2 | 403 | 20 | 408 | 20 | 1,750.0 | 1,680.0 |
2016 | 11 | 63 | 2 | 567 | 35 | 511 | 41 | 1,765.7 | 1,673.2 |
2015 | 7 | 62 | 3 | 698 | 55 | 599 | 44 | 1,752.7 | 1,759.1 |
2014 | 12 | 70 | 3 | 768 | 50 | 613 | 48 | 1,794.0 | 1,700.0 |
2013 | 14 | 49 | 1 | 554 | 50 | 412 | 27 | 1,772.0 | 1,629.6 |
2012 | 13 | 50 | 2 | 516 | 33 | 416 | 29 | 1,969.7 | 1,686.2 |
2011 | 13 | 49 | 1 | 439 | 31 | 376 | 36 | 1,877.4 | 1,619.4 |
2010 | 14 | 46 | 5 | 389 | 40 | 262 | 21 | 1,862.5 | 1,585.7 |
2009 | 57 | 3 | 0 | 125 | 13 | 47 | 5 | 1,646.2 | 1,440.0 |
昨年までの成績は、このようになります。
芝、ダートを問わず勝利を挙げていて
長めの距離が得意な産駒が多い
という特徴が見て取れました。
大物は少ないものの、リーディグ10位前後に
付けているので、安定感のある種牡馬と
言えそうです。
ゼンノロブロイの種付け料は?
18歳となった2018年のゼンノロブロイの
種付け料は
- 受胎条件:60万円
- 出生条件:90万円
2012年以降、種付け頭数が
減少していっているため
種付けしやすい金額となっています。
ゼンノロブロイの馬主は?
社台系の白老ファームで誕生した
ゼンノロブロイは、一口馬主の
クラブ所有にはならず、セールに出されました。
そこで、ゼンノやビコーの冠名で
お馴染みだった馬主・大迫忍さんが購入。
大迫さんの所有馬として現役生活を送りました。
大迫忍さんが亡くなったあとは
奥様の大迫久美子さんの名義で走りました。
ちなみに、大迫忍さんは地図で有名な
ゼンリンの社長を務めた方です。
ゼンノロブロイの現役時代の成績/戦績は?
美浦の名門・藤沢和雄厩舎に入厩した
ゼンノロブロイの通算成績は20戦(7.6.4.3)。
- G1:天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念
- G2:神戸新聞杯、青葉賞
クラシックには一歩及ばず、4歳春も
勝ちきれないレースが続きましたが、
4歳の秋に才能が爆発的に開花。
天皇賞・秋で初G1タイトルとなる1年ぶりの
美酒を浴びると、そのまま秋古馬3冠を制覇。
その後は、イギリスに遠征しG1で
2着に入るなど、古馬王道路線の主役として
活躍しました。
その戦績の中でも特筆すべきは、
史上2頭目の秋古馬3冠。
2004年のゼンノロブロイ以降、どの馬も
成し遂げていない偉業です。
ゼンノロブロイの脚質は?
現役時代のゼンノロブロイのレースぶりを
表す言葉を選ぶなら
正攻法!
先頭を常に射程圏における
5番手前後からレースを進める
というスタイルが多く見られました。
先団に取り付く器用さもありながら
末脚の鋭さもあったため、中団からの
競馬になっても大丈夫なタイプ。
オールマイティーな脚質だったので
引退レース以外では掲示板を外さない
安定感を示しました。
レース動画を紹介
最後に、ゼンノロブロイの現役時代の
レースを動画でご覧いただきましょう。
今回は、秋古馬3冠を達成した
3レースをピックアップしました。
■2004年天皇賞・秋
いつもより後方からの競馬となりますが、
力強い末脚を繰り出し、悲願のG1初制覇を達成。
藤沢和雄厩舎は、これで天皇賞・秋
3連覇となりました。
■2004年ジャパンカップ
先行集団のすぐ後ろからレースを進め
直線半ばで仕掛けられると一気に後続を突き放し
2着に3馬身差をつける快勝でG1・2連勝。
■2004年有馬記念
小回りを意識してか、逃げ馬の直後から
競馬を進めます。直線で先頭に並びかけると
150mの叩き合いに勝利。
史上2頭目となる秋古馬3冠を見事に
成し遂げました。
(藤沢厩舎は有馬記念も3連覇!!)
まとめ
今回は、ゼンノロブロイの
種牡馬としての特徴と
現役時代の雄姿をご紹介しました。
産駒は、芝・ダートでそんなに差がない
活躍を見せているので、
ダート変わり
のレースで狙ってみるのも面白そうです。
自身の現役時代を超える産駒は
出ていませんが、潜在能力を見せていた
ペルーサが後継として種牡馬入り。
その血が繋がっていく可能性を
持っているゼンノロブロイ。
産駒の数は少なくなっていますが、
まだ現役の種牡馬ですので、
そこから大物が現れる事を期待しましょう!