2018年の皐月賞はエポカドーロが制し
父オルフェーヴルとの
親子制覇を達成しました。
これから遡る事25年以上前に
同じように三冠馬の息子として
皐月賞を制した馬がいました。
その名はトウカイテイオー。
皇帝と呼ばれた父と同じく
無敗での2冠達成という
快挙を達成した後は、
何度も骨折し、順風満帆な
現役生活とはなりませんでした。
しかし、不屈の精神力で
何度も復活を果たし
感動をさせてくれた名馬でした。
強すぎて憎まれた父と違い
ファンに愛された
貴公子・トウカイテイオーの
足跡をご紹介していきます。
トウカイテイオーの成績/戦績は?
出典:https://weekendmemories.jp/
それではトウカイテイオーの
戦績を見ていきましょう。
1990年12月にデビューしたテイオーは
鞭を1度も使わない
圧巻のレースぶりを見せ続け
4連勝でクラシックの第1弾
皐月賞へ歩みを進めます。
強豪相手に初めてのレース、
大外枠という点が懸念されましたが
あっさりと抜け出して
父に続く、親子2代での
無敗の皐月賞制覇を達成します。
続くダービーでも
大外20番枠に入ったものの
圧倒的な力の差を見せつける
3馬身差での快勝。
親子での無敗での
二冠とダービー制覇を
達成しました。
三冠の期待が高まるレースでしたが、
直後に骨折が判明。
古馬での飛躍に備えて
休養することになります。
復帰戦となった大阪杯で
ほとんど追う所なく勝った
トウカイテイオーは、
春の天皇賞で、最強ステイヤー
メジロマックイーンと
対決することになります。
一騎打ちムードが高まりますが
距離が長かったのか直線で
伸びきれず5着に敗れ
デビュー以来の連勝が
ストップしてしまいました。
さらにレースの後には
軽度の骨折が判明し
秋のG1シリーズには
直行するローテーションとなります。
復帰戦の天皇賞秋では
折り合いを欠いて
ハイペースを先行する
チグハグな競馬となり7着。
連敗となったことで
テイオー神話が崩壊したのか
続くジャパンカップでは
単勝10倍の5番人気と
なってしまいます。
この年から国際G1に認定され
イギリスのダービー馬や
二冠牝馬が出走し
ジャパンカップ史上最高レベルの
メンバーが出走したこのレースで
テイオーは、しっかりと折り合い
残り200mで先頭に立つと
そのまま1着でゴール。
父以来となる日本馬による
ジャパンカップ制覇と共に
日本馬初の国際G1ホースと
なりました。
復活を見せたトウカイテイオーは
ファン投票1位、1番人気で
有馬記念に出走しますが、
体調不良とゲートで滑り
腰の辺りを痛めたことから
生涯最低となる11着でゴール。
浮き沈みの激しい1年と
なってしまいました。
翌年、宝塚記念での復帰を
予定していたテイオーでしたが
3度目となる骨折が判明。
戦列に復帰したのは、前走から
1年ぶりとなる有馬記念。
8頭のG1ホースが出走する中
2周目の3コーナーから進出した
テイオーは直線に入ると
一番人気のビワハヤヒデを捉え
1着でゴールイン。
現在も破られていない
中363日という最長ブランクでの
G1勝利で「奇跡の復活」を
遂げました。
翌年も現役続行の予定でしたが
4度目の骨折が判明。
12戦9勝 [9-0-0-3]
G1・4勝という成績と
奇跡の復活劇という
感動的なドラマを残して
ターフを去っていきました。
トウカイテイオーの稼いだ賞金はいくら?
トウカイテイオーが獲得した賞金額は
6億470万円。
度重なる故障もあって
キャリアで12戦しか
出走していない事から
賞金面では、突出した記録を
残してはいません。
トウカイテイオー!動画で蘇る
トウカイテイオーが見せてくれた
ドラマの数々を動画で
ご覧いただきましょう。
1.ジャパンカップ
まず1つ目はトウカイテイオーが
日本競馬史上初の
国際G1ホースとなった
1992年のジャパンカップ。
当時の日本競馬は、今よりも
世界との差があった時代。
ジャパンカップは
海外の有力馬に胸を借りる
といった雰囲気がありました。
さらに、この年から
国際G1に昇格したことで
イギリスのダービー馬が2頭、
その年の英二冠牝馬が出走するなど
過去最高とも呼べるメンバーが
集いました。
そんな中、トウカイテイオーは
骨折休養明けの天皇賞秋で
惨敗したものの
良いガス抜きになっていたのか
4~5番手の好位を
リラックスして追走。
直線で抜け出すと
襲い掛かる外国馬を抑え切り
父以来となる日本馬による
JC制覇を達成しました。
2.日本ダービー
2つ目のレースは
無敗の2冠馬となった
1991年の日本ダービーです。
単勝1.6倍の圧倒的な人気を
集めたトウカイテイオーは
好スタートから、
すっと6番手につけると
直線は持ったまま先頭へ。
鞭が入ると後続を突き放し
あっさりと親子ダービー制覇を
成し遂げました。
2017年の時点で、親子ともに
無敗で2冠制覇、ダービー制覇は
トウカイテイオー以来、現れていません。
3.有馬記念
最後に紹介するのは、
トウカイテイオーの
ラストランとなった
1993年の有馬記念です。
前年の有馬記念に出走してから
筋肉を傷めたり、骨折があったりと
順調とは言えない中での
1年ぶりのレース。
当時だけではなく、
現在の常識でも
テイオーの苦戦は必至と
言わざるを得ないローテーションです。
1歳下の名ステイヤーや
2歳下のダービー馬、菊花賞馬
二冠牝馬というイキの良い
メンバーが揃う中、
最内でリラックスして
脚を溜めたトウカイテイオーは
3コーナーから進出。
一番人気のビワハヤヒデが
粘り込みを図る中
坂を登った辺りで先頭に立ち
誰もが不可能と思えた挑戦に
感動的な復活劇という
答えを示してくれました。
トウカイテイオーはイケメンか?
貴公子と呼ばれたトウカイテイオーは
そのルックスも注目を集めました。
- 長く伸びた前髪
- 美しい流星
- 利発そうな眼差し
- 長い脚
とイケメンの要素が満載。
気品のある雰囲気から
現在でもグッド・ルッキング・ホース
と言えば、トウカイテイオーの
名前が挙がるほど認知されています。
ぜひ画像検索をして
イケメンっぷりを確認してみてください。
トウカイテイオー奇跡の復活劇!
トウカイテイオーの
ハイライトとなるのは、
やはり最後の有馬記念での
奇跡の復活劇でしょう。
1年ぶりに競馬場に帰ってきた
テイオーは返し馬の段階から
持ち前のバネの効いた
走り方をしていたと言います。
しかし、コンディションが
良かったとしても、有馬記念は
2500mの長丁場です。
レースから遠ざかっていると
心臓などの臓器が、
ハードな運動に耐えられる
状態まで鍛えるのが難しい
というのがセオリー。
多くのファンが半信半疑
だったとしても
仕方がありません。
しかし、心肺機能も
しっかりと整っていた
トウカイテイオーは
自らの走りで、それまでの
常識を覆す走りを見せたのでした。
トウカイテイオーの血統は?
トウカイテイオーの父は
史上初の無敗の三冠馬
皇帝と呼ばれた
シンボリルドルフ。
テイオーは、ルドルフの
初年度産駒として
数々の親子記録を
樹立していきました。
その父とトウカイナチュラル
という血統に生まれた
トウカイテイオー。
実はG1馬であったナチュラルの姉が
ルドルフと交配予定でしたが、
活躍を続けたために現役を延長。
妹に白羽の矢が立ち、
誕生したのがトウカイテイオーでした。
トウカイテイオーの性格は?
気品のある顔立ちそのまま
トウカイテイオーは
非常に利口な馬だったと
言われています。
特に面倒をかけるようなことは
なかったものの、
気に入らない事があると
テコでも動かないという
プライドの高さも
持ち合わせていたようです。
また、そんな利口さの裏返しか、
デリケートな面もあったそうで、
環境の変化に戸惑うような所も
あったのだとか。
トウカイテイオーの脚質は?
好スタートから、道中は
5番手以内をキープして
最後の直線で抜け出すという
トウカイテイオーの脚質は
先行馬のお手本のようなスタイル。
しかし、この走り方は
スタート、スピード、
瞬発力、スタミナ
すべてを高いレベルで備え
かつ、騎手に従順な馬でないと
難しいもの。
それを可能にする
レースセンスの良さを
皇帝と呼ばれた父から受け継ぎ
トウカイテイオーは
多くのドラマを生み出しました。
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トウカイテイオーの騎乗騎手は誰?
トウカイテイオーには
3人の騎手が騎乗しました。
- 安田隆行…デビューからダービーまでのパートナー。当時G1勝ちがなく地味な存在だったがテイオーとのコンビで全国区になった。
- 岡部幸雄…古馬となってからの主戦。テイオーの父シンボリルドルフの主戦でもあり、ジャパンカップで親子制覇を達成。
- 田原成貴…最後の2レースに騎乗。奇跡の復活となった有馬記念は、騎手人生で最高の時間だったと、後にコメントしている。
この3人だけが、乗り味抜群だったという
トウカイテイオーの背中を知っている
騎手ということになります。
トウカイテイオーの馬主?
トウカイテイオーを所有したのは
内村正則オーナー。
白、青山形一本輪、桃袖の勝負服と
「トウカイ」の冠名でお馴染みで
テイオーの他にもトウカイローマンや
トウカイポイントといったG1馬や
トウカイトリックなどの重賞ホースを
所有しました。
内村オーナーは、牝馬初のダービー馬
ヒサトモの子孫を保護することに
力を入れ、消滅寸前の血統を
繋いでいきます。
その内村オーナーが繋いだ
血統の中から誕生した
最高傑作がトウカイテイオーでした。
トウカイテイオーの産駒は?
引退後、種牡馬となった
トウカイテイオーは
- マイルCSを制したトウカイポイント
- 阪神JFの勝ち馬ヤマニンシュクル
- 交流G1勝ちのストロングブラッド
という子供たちが活躍しましたが、
自身を超える産駒は出ませんでした。
また、トウカイポイントは騙馬、
ストロングラッドは引退後に
去勢されたことから
有力な後継種牡馬はおらず
父シンボリルドルフからの父系を
繋ぐ役目は果たせていません。
しかし、母の父として重賞ホースを
2頭出していることから
母系にテイオーの血を持つ馬の
活躍に期待したいところです。
まとめ
今回は貴公子と呼ばれ
ファンの多かった
トウカイテイオーを
ご紹介しました。
残念ながら父系としての
血を繋ぐことが難しい状況ですが
父シンボリルドルフから
続くストーリーは
競馬の魅力である「血のドラマ」を
わかりやすく伝えてくれるものです。
日本競馬が世界の壁に
跳ね返されていた時代に
最強と呼ばれた父に
勝るとも劣らない
活躍を見せた名優トウカイテイオーを
憶えていただけたらと思います。