ウオッカとは?血統や産駒・レース動画を解説!

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最近はどんな分野でも
女性の活躍が目覚ましいですが

競馬の世界でも
ここ10年ほど牡馬を負かす男勝りな
牝馬が珍しくありません。

その先陣を切ったと言えるのが、
今回取り上げるウオッカです。

牝馬とは思えない恵まれた馬体から
繰り出す末脚で、64年ぶりの
牝馬によるダービー制覇を達成し、

G1・7勝、獲得賞金10億円突破、
2年連続年度代表馬と牝馬初の偉業を
次々と達成した名牝ウオッカ

圧巻のパフォーマンスと
ライバルとの死闘を動画と共に
ご紹介していきます。

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 ウオッカの成績/戦績は?


出典:photo:kanegen

デビュー前から期待されていたウオッカは、
評判通りに2歳10月の初戦を勝利。

2戦目は出遅れて2着に敗れますが、
素質に疑いのなかった陣営は
G1・阪神JFへの出走を決断。
今度はスタートを決め
レコードで初のG1タイトルを
獲得します。

3歳となりクラシックに臨むウオッカは
チューリップ賞で終生のライバルとなる
ダイワスカーレットと初対決

それに完勝し、大本命として
桜花賞に臨みますが、
今度はダイワを差し切れず
2着に敗れてしまいます。

そのまま牝馬の既定路線である
オークスでリベンジすると思いきや、
陣営が次走に選択したのは日本ダービー

無謀な挑戦と言う人も少なくない中、
直線で弾けたウオッカは牡馬を寄せ付けず
64年ぶりとなる牝馬による戴冠
を果たします。

その勢いで古馬に挑戦した宝塚記念は8着、
秋に入って秋華賞3着、
エリザベス女王杯は取り消し、
ジャパンカップ4着、
有馬記念11着と3歳の後半は
噛み合わないレースばかりとなりました。

古馬となっても勝ち星に恵まれない
ウオッカでしたが安田記念で、またもや
牡馬を完封して優勝

3年連続となる3つ目のG1を
華麗なる復活で飾ります。
復調したダービー馬は前哨戦を叩いて
天皇賞秋に挑みます。

このレースには、あのライバル
ダイワスカーレットも出走。
ハイペースで逃げるダイワを追いかけ
直線で差し切ったと思ったところ
ダイワが息を吹き返し、
並んだままゴール

長い写真判定の末、
僅か2cmだけ出ていたウオッカが
G1・4勝目を挙げました

5歳となり春のドバイ遠征の結果は
振るいませんでしたが、
帰国初戦ヴィクトリアマイルで
7馬身差の圧勝劇を見せ、
続く安田記念で連覇を達成し
G1勝利数を6とし
牝馬最多となりました。

前年制した天皇賞で3着とし
3年連続となるジャパンカップに
挑んだウオッカ

好位から抜け出しゴールを目指す
彼女にオウケンブルースリが迫り
並んだ所がゴール。

またもや2cm差で追撃を
振り切った彼女は、史上最多タイの
G1
・7勝目
を飾りました。
この勝利で東京競馬場で開催される
全ての古馬G1に優勝する快挙を
達成しましたが、このレース中に
発症した鼻出血が尾を引き翌年引退。

26戦10勝 [10-5-3-8]という成績を挙げ
牝馬としての記録を数々と更新しましたが
それ以上に、多くの名勝負によって
人々を魅了した名牝でした。

ウオッカの賞金は?

中央競馬で13億487万6000円、
海外で2868万9800円の賞金を
獲得したウオッカ。

牝馬として初の10億円ホースであり
当時の牝馬として最多賞金獲得馬でした。

また、牝馬による混合G1・5勝も最多記録。
様々な面で牝馬という概念を覆していった
歴史的な名馬
です。

ウオッカのレース動画

ウオッカの足跡を振り返った所で
動画で彼女のレースを見てみましょう。

1.日本ダービー

やはり最初に取り上げるのは
64年ぶりの牝馬優勝を飾った
2007
年の日本ダービー

桜花賞に敗れていただけに
果敢な挑戦を揶揄する人も
少なくありませんでしたが、
同期の牡馬を相手に3馬身差の圧勝。

非難していた人たちも閉口せざるを得ない
パフォーマンスで世代の頂点に立ちました。

2.安田記念

続いて紹介するのは、連覇を達成した
2009
年の安田記念
です。

前走で圧巻のパフォーマンスを見せていた
ウオッカに他馬のマークが集中。
残り300m付近では、完全に前が
塞がれており、万事休す。

と思いきや、瞬の隙を見逃さず
抜群の瞬発力で間を抜けてくる
先頭にグングン迫り、ゴール寸前
見事に差し切り6つめのG1タイトル

獲得しました。

3.天皇賞

日本競馬史上、屈指の名勝負の1つと
言われているのが2008年の天皇賞秋

混合G1にも関わらず、ウオッカが1番人気、
ダイワスカーレットが2番人気と
名牝2頭が人気の中心となりました。

好スタートからハイペースで逃げる
ダイワを残り200m付近で
交わしたウオッカでしたが、
そこからダイワが脅威的な粘りを見せ
全くな並んだままゴールイン。

15分にも上る写真判定の末
僅か2cmだけ前に出ていたウオッカに
勝利の女神は微笑みました。

ちなみにライバル同士の2頭が
一緒に走った最後のレース
でもあります。

ウオッカの血統は?

ウオッカの父は第69代ダービー馬の
タニノギムレット
豪快な末脚は、この父親譲りでした。

タニノギムレットの初年度産駒として
大活躍したウオッカは、父の評価を
上げる役割を果たしました。

母タニノシスターはJRAで5勝を挙げ
桜花賞にも出走していた馬

「タニノ」でお馴染みだった
谷水オーナーが経営する
カントリー牧場が育んできた血統の
集大成となったのがウオッカ
でした。

ウオッカの性格は?

前向きな性格だったウオッカは
一流馬共通の「負けず嫌い」な
面を持っていた
と言われています。

デビュー前の調教では、先輩のG1馬に
食らいついて、関係者を驚かせます。

これは、中学生の女子がプロ野球選手と
互角の練習をするようなものと言ったら
その負けず嫌いっぷりがわかるでしょうか?

生来の負けん気の強さが、レースで
チグハグさを見せることもありましたが、
最後まで諦めない姿勢が、
2度の2cm差での
G1勝利に繋がったのでしょう。

ウオッカの脚質は?

photo:Goki

現役初期は中団に付け、圧倒的な
瞬発力で差すという脚質だった
ウオッカ。後期は逃げたり、
先行することもありました。

これは、かかり癖が
出てきたこともありますが、
スタートが速くなったという
理由もあり、無理なく先団に
取り付いていくようになりました。

先行できるようになってから
ウオッカは不振から脱却。
4歳の5月以降、国内では
3
着を外さない安定感を見せました

ウオッカの騎手は?

難しい面もあったウオッカには
多くの騎手が騎乗しています。

  • 四位洋文…2歳~4歳2月までの主戦。阪神JF、ダービーのG1・2勝。ウオッカの瞬発力を引き出した。
  • 武豊…4歳のドバイ遠征から5歳秋までの主戦。名勝負となった天皇賞秋、圧勝したヴィクトリアマイル、連覇を達成した安田記念のG1・3勝。好位につける競馬を教える。
  • 岩田康誠…武豊が他の馬に先約があった際に騎乗。安田記念で優勝。
  • クリストフ・ルメール…最後の2レースに騎乗。かかり癖が強くなっていたウオッカに先入観なく乗れるという事から白羽の矢が立った。ジャパンカップで優勝

当代きっての名手たちが
それぞれのアプローチで
ウオッカの能力を引き出し

7つものG1タイトルに
導きました。

ウオッカの馬主は?

牝馬としての枠を超え
5つもの混合G1で勝利を
挙げたウオッカの記録は、
この馬主だったから達成できたと
言っても過言ではないでしょう。

ウオッカの馬主・谷水雄三さんは
お父さんから牧場を引き継いだ
「タニノ」の冠名でお馴染みの
オーナーブリーダー
ウオッカの父タニノギムレットで
馬主として親子ダービー制覇の
偉業を達成します。

そのタニノギムレットと
自身の所有馬として現役を送った
タニノシスターの間に生まれたのが
ウオッカ。
父よりも強くなって欲しいとの
思いを込めて冠名を付けずに
アルコール度数の高いお酒の名前を
そのまま付けた
のでした。

通常、牝馬だと、クラシック登録は
桜花賞とオークスのみの場合が
多いですが、皐月賞・ダービー・菊花賞
へも登録をしていたのは
谷水オーナーの判断だったと
言われています。

牝馬は牡馬に敵わないという
既成概念に捉われないオーナー

馬だったからこそ、ウオッカが
歴史に名を残す馬になれたと
言っても差し支えないでしょう。

ウオッカの産駒は?

現役を退いたウオッカは
谷水オーナー所有のまま
日本ではなく、アイルランドで
繁殖生活を送ることになります。

アイルランドでは世界きっての
種牡馬と交配され、誕生した
産駒は日本で競走馬生活を
送っています

2018年4月の時点で、
タニノアーバンシー
タニノフランケルの2頭が現役。

ケースバイケースは母の血を繋げるべく
繁殖牝馬として日本で繋養されています。

ウオッカとダイワスカーレットの関係は?

photo:kanegen

ウオッカを語る上で外すことができない
ライバル・ダイワスカーレット。
2頭の歴史的名牝による対決は
2007
年~08年の競馬界の中心でした。

  • チューリップ賞…ウオッカ1着、ダイワ2着
  • 桜花賞…ダイワ1着、ウオッカ2着
  • 秋華賞…ダイワ1着、ウオッカ3着
  • 有馬記念(’07)…ダイワ2着、ウオッカ11着
  • 天皇賞秋…ウオッカ1着、ダイワ2着

ウオッカが2回、
ダイワスカーレットが3
先着と、ほぼ互角

スパっと切れるウオッカと
骨を切らせて肉を立つダイワスカーレット。
同時期の牡馬を寄せ付けない強さを見せた
圧倒的な強さを誇った牝馬同士
ライバル物語は語り継がれていくでしょう。

まとめ

牝馬の歴史を次々と塗り替えた
名牝ウオッカをご紹介しました。

後に、ブエナビスタ、ジェンティルドンナ
といった名牝が、牡馬相手の
ローテーションで活躍していきますが
無謀な挑戦と言われなかったのは
ウオッカが、その扉を
開いたからでした。

これからも多くの名牝が
誕生すると思いますが、
そんな馬が現れた時には
ウオッカが分厚く閉ざされていた
扉を開いた
と思いだしてもらえたら
幸いです。

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