今回ご紹介する種牡馬はローエングリン。
芝・ダート、ヨーロッパ・北米・日本・ドバイ
と馬場も場所も問わず活躍した
シングスピールの血を日本に伝える、
数少ない種牡馬です。
父のタフさを受け継ぎ、フランスや香港でも
走り8歳まで現役を続けたローエングリンの
現役時代のレースとともに
種牡馬としてのローエングリンの特徴を
ご紹介していきます。
ワーグナーのオペラから名前を取られた
栗毛の騎士は、一体どんな馬なのでしょうか?
ローエングリンの産駒!子供を5頭紹介
2001年から2007年までという
長い期間、現役として活躍した
ローエングリンは2008年から種牡馬として
第2の馬生を歩んでいます。
まずは、彼の代表的な産駒を
ご紹介していきましょう。
■ローエングリン血統表
シングスピール | In the Wings |
Glorious Song | |
カーリング | Garde Royale |
Corraleja |
1.ロゴタイプ
ロゴタイプ(牡)2010年産
母:ステレオタイプ
母父:サンデーサイレンス
ローエングリンの2年目の産駒として
デビューしたのがロゴタイプ。
朝日杯フューチュリティステークスで
父に初重賞と初G1をプレゼント。
さらにクラシックの皐月賞も制覇し
世代のトップランナーとして
エピファネイアやキズナと
3冠を分け合いました。
皐月賞制覇後は長いスランプに
陥ったものの父親譲りのタフさで復活。
6歳で安田記念に優勝しG1・3勝目を
飾りました。
父の後継として2018年から
種牡馬として歩み出しています。
2.カラクレナイ
カラクレナイ(牝)2014年産
母:バーニングレッド
母父:アグネスタキオン
父と違って末脚が自慢の娘が
カラクレナイ。
2連勝で挑んだ桜花賞トライアルの
フィリーズレビュー(G2)では
後の桜花賞馬・レーヌミノルを
豪快に差し切って重賞制覇。
続く桜花賞でも僅差の4着に入る
活躍を見せています。
3.ヴゼットジョリー
ヴゼットジョリー(牝)2014年産
母:フレンチビキニ
母父:サンデーサイレンス
父と同じ勝負服で走る新潟2歳女王が
ヴィゼットジョリーです。
新馬戦で勝利した後に挑んだ
新潟2歳ステークス(G3)で優勝。
ローエングリン産駒の牝馬としては
初の重賞勝利を果たしました。
4.ハッピーグリン
ハッピーグリン(牡)2015年産
母:レディセラヴィ
母父:アグネスタキオン
中央ではなく、北海道競馬に
所属している現役馬。
地方所属の身ながら、
セントポーリア賞(500万下)で
中央の評判馬相手に快勝。
地方馬ながら中央の芝との
相性の良さを示しています。
5.アドマイヤシナイ
アドマイヤシナイ(牡)2014年産
母:プリンセスドルチェ
母父:アドマイヤベガ
最後に紹介するのは、アドマイヤムーンの
近親に当たるアドマイヤシナイ。
2018年7月25日現在は
500万クラスのですが、父親譲りの先行力で
デビュー以来、掲示板を外していない馬。
父や叔父のようなタフさと成長力を
発揮できれば、もっと上のクラスで
活躍できるかもしれません。
ローエングリン種牡馬としての成績/戦績は?
上記のような産駒を出している
ローエングリンの種牡馬としての
成績を見て行きましょう。
年度 | 順位 | 出走頭数 | 勝馬頭数 | 重賞 | |
出走 | 勝利 | ||||
2017 | 39 | 101 | 14 | 10 | 1 |
2016 | 51 | 61 | 11 | 7 | 2 |
2015 | 66 | 32 | 6 | 9 | 0 |
2014 | 75 | 37 | 8 | 5 | 0 |
2013 | 47 | 38 | 5 | 9 | 2 |
2012 | 62 | 36 | 5 | 5 | 1 |
2011 | 178 | 26 | 2 | 1 | 0 |
出走頭数も少なく、苦戦しているように
見受けられます。
しかし、ロゴタイプが活躍したことで
2014年産、2015年産世代の
成績はアップ。
世代別ランキングで20位台に入って
きています。
ローエングリンの種付け頭数と種付け料を紹介
現在はレックススダッドで繋養されている
ローエングリンの2018年の種付け料は
- 受胎条件:50万円
- 出産条件:80万円
という金額。後継種牡馬のロゴタイプが
受胎条件80万円なので、息子よりも
少し安い金額です。
また、2017年までの種付け数は
種付年度 | 種付頭数 |
2008 | 95 |
2009 | 71 |
2010 | 55 |
2011 | 46 |
2012 | 30 |
2013 | 176 |
2014 | 112 |
2015 | 64 |
2016 | 46 |
2017 | 67 |
ロゴタイプの活躍によって
少し種付け頭数が持ち直しています。
ローエングリンの馬主は?
ローエングリンは現役時代、
社台レースホースの所有馬でした。
社台レースホースはクラブ法人なので
ローエングリンは一口馬主の馬として活躍。
同じクラブの同期には2冠馬
ネオユニヴァースがいます。
ローエングリンの現役時代の成績/戦績は?
最後にローエングリンの現役時代の
戦績をご紹介します。
G2:中山記念2回、マイラーズカップ2回
その他:ムーランドロンシャン賞2着など
2歳から8歳まで長く現役を続け
48戦(10.5.6.27)という成績を
残しました。
G1には届きませんでしたが
3歳で挑戦した宝塚記念や
4歳時の安田記念や香港マイルで3着に
入り、一線級の能力を示しています。
日本で活躍馬が少ないサドラーズウェルズ系の
代名詞的存在と言える馬です。
ローエングリンの脚質は?
現役時代のローエングリンの持ち味は
類まれな先行力を活かした逃げ。
多くのレースでハナを切り
ゴール寸前まで粘りを見せました。
その脚質は息子のロゴタイプにも
引き継がれていて、逃げて復活の
G1勝利を飾っています。
レース動画を紹介
■2007年中山記念
ローエングリンの8歳シーズンの初戦で
現役最後の勝利となったレース。
好スタートから逃げると
そのまま後続を完封。
中山競馬場での見本のような逃げを
披露し、2年ぶりの勝利を飾りました。
■2003年安田記念
ローエングリンが国内で最もG1に
近づいたのがこのレース。
2番手から進め、直線半ばで先頭に立ち
しぶとく粘るものの、ゴール前で
2頭に交わされ無念の2着に終わりました。
しかし、13年後の安田記念で孝行息子の
ロゴタイプが後続を抑え切って優勝。
父が一歩及ぼなかった安田記念制覇を
成し遂げました。
まとめ
今回は日本では数少ない欧州の主流血統である
サドラーズウェルズ系の種牡馬
ローエングリンをご紹介しました。
現役時代にG1勝利がなかったために
種牡馬としての環境は良いとは
言えなかったものの
2世代目に登場したロゴタイプのおかげで
その可能性が見直され、今なお
需要がある存在です。
自身が大きなケガもなく大レースに
出走し続けた馬だったので
タフな馬が好きな馬主さんには
重宝されそうなロゴタイプ。
年齢的に大物が出る可能性は
低いかもしれませんが、息子のロゴタイプを
通じて、その血が広がっていくことを
期待しましょう。